GOLD BOY〜不良彼氏〜



罪悪感でいっぱいだったあの頃の私。

あの頃の私は、もういない。



見送るとき泣かなかった私。

産まれてこなきゃよかったと思ってた私。

何で産まれたんだろうと考えてた私。



あの頃の私は、もういない。



「じゃあ、後は美鈴の気持ちだけだな」



産まれてきてよかった。

この時代に産まれてきてよかった。

産まれてきたから葵に出会えた。

産まれてきたから大切な仲間に出会えた。



お母さんとお父さんの子どもに産まれて、ほんとうによかった。



葵と出会えたことを………これからも大切にしていきたい。



だからこそ、涙を必死に止めて震える声で言った。



「あたしも……葵と一緒にいたい」



お嫁に行くような感じだった。

まるで葵にプロポーズされたかのような気持ちに勝手になってた。



それはお母さんも同じだったらしく、その日家に帰って『プロポーズされたみたい』と言うと『あれはプロポーズでしょ』と返ってきた。



100%プロポーズなのかは分かんなくても、葵と一緒に暮らせることが嬉しくて、その日の夜はテンションが上がった。



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