GOLD BOY〜不良彼氏〜
で、結局土曜日は私の気晴らしショッピングなんかにはならなくて
ゆずの日頃の菊哉に対する鬱憤や不満の発散ショッピングになってしまった。
まあ、ゆずがストレス解消出来たなら私は別にいいかなとも思った。
別に日曜日に家で1人でゲームして気晴らしでもすればいいんだし。
でも、…その考えが甘かった。
日曜日の朝8時頃、私の携帯に5日ぶりに葵から電話がきた。
《もしもし》
「も、ももしもし」
いつもの葵の低く落ち着いた声を聞いてか、たった一言のもしもしを咬んでしまった。
《何咬んでんだよ》
「だ、だって…、全然電話くれなかったから」
《ああ、ごめんな。忙しくて》
忙しくても電話くらい出来ないの?
電話出来ないくらい忙しいの?
そんなに今危ないの?
頭にはそんな質問ばかりが浮かんだけど、実際口にすることなんか出来なかった。
《なあ、美鈴》
「な、なに」
急に改まって真剣な声を葵が出すもんだから、つい戦闘態勢に入ってしまう。
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