GOLD BOY〜不良彼氏〜
★金色の頭たち
それから日曜日は私がゆずの看病をして、ゆずは私をずっと馬鹿にして終わった。
その日の恨みはまた今度返してやろうと心の中にしまっておいた。
そして、ついに来た月曜日。
私の家の前には、自転車に乗って制服の上に着てるパーカーのフードを被ってる誰かがいた。
でも、その人が葵だということは顔を見てからすぐ分かった。
少し見える金色の前髪。
おでこと目の上と口の横に貼ってある絆創膏(ばんそうこう)。
包帯が巻かれてる左手の人差し指。
明らかに先週、喧嘩してきました的な姿の葵にある意味驚いた。
今まで軽い喧嘩なら見たことはあるけど、こんな絆創膏貼るくらいの喧嘩は見たことない。
だから、こっちを無言で見つめる葵に私は何も言えなかった。
冗談でも笑えなかった。
「驚いた?絆創膏だらけでやべぇだろ」
でも当の本人はヘラヘラと笑って近付く私の手首を握った。
決してフードを取ろうとはせず、サドルに座る葵は私を上目遣いでジッと見つめる。
何で葵はこんな余裕で平気なんだろう。
私はこんなに心配なのに。
寂しがったのに。
喧嘩してるかもしれないって聞いた時は涙が止まらなくなりそうだったのに
何で葵はこんなに余裕なの?
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