GOLD BOY〜不良彼氏〜
この前喧嘩したグループのやつの電話番号だと言いたいんだろう。
私からしてみれば、一週間葵と合わせてくれなかったやつの電話番号。
葵の整った顔をこんなに絆創膏だらけにしたやつの電話番号。
そんな敵である葵の彼女の私の電話に、そんなやつから電話があるのか分からない。
しかも、誰から私の電話番号聞いたのかも疑問で、だんだん怖くなってきた。
「何で……あたしに電話なんかしてくんの?」
「たぶん、お前に用があるんじゃねぇと思う」
「え?」
「俺の番号調べられねぇから、お前に電話して俺と話そうとしたんだろ」
―…つまり
私と葵が付き合ってることは向こうのグループも知ってて
葵の番号は調べられないから、いつも一緒にいる私にかけて葵と話をしたい。
向こうの魂胆が分かった。
「だからって、知らない番号からだったら出るなよ」
「うん。でも……どうやって私の番号調べたの?そんなに簡単に分かるものなの?」
今までの経験からして、勝手に番号を調べられてイタ電された経験はない。
だから自分の番号が自分の知らない人たちに、しかも葵の敵である人たちに知られたことが
なんか不思議でしょうがない。
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