GOLD BOY〜不良彼氏〜
頭がついにパニック状態になってショート寸前になりかけた時。
葵が苦手な説明を、幼稚園児でも理解出来るくらい丁寧に説明してくれた。
それはそれはもう分かり易くて、明日から教師になって勉強教えてもらいたいと思った
―…のは一瞬だけで。
「つうか敬語使わなきゃなんねぇのとかダルくて、今は先輩なのにタメ語使ってる」
私は再びパニック状態になった。
何の話をしてんの?
誰の話をしてんの?
先輩って何なの?
誰が先輩なの?
何で敬語がダルいの?
先輩なのにタメ語でいいの?
いったい、今は何の話題に移り変わってんの?
相変わらず呑気に煙草を吸う葵は話しきった感たっぷりだった。
だからか分からないけど、私だけが葵の話を理解出来ずにいて何かスッキリしなかった。
「あのさ、もっと分かり易く話してくれないかなぁ…」
「分かり易く?」
「うん。何の話かまったく分かんないんだよね…」
葵の話し方で理解出来ないのは私だけなのかもしれないけど、
どうしても理解出来なかった。
それは、どんなに考えても頭を使っても無理なものだった。
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