GOLD BOY〜不良彼氏〜
それから訳も分からず私たちが乗ってる健吾の運転する車は知らない大学に到着した。
何……この大学。
私は大学を見て絶句した。
大学の入り口であろう門は豪華に金色で統一されていて、
遠くの方に見える校舎は真っ白で私にはお城にしか見えないほど輝いている。
「す…ご…」
「大学には見えないよなぁ。むしろ城だよな。城にしか見えねぇ」
隣に座る葵も私と同じ顔をして絶句してる。
何回もこの大学に来てるであろう葵までもが毎回驚くほど、大学はお城にしか見えない。
でも、健吾だけは冷静で大学から誰かが来るのを煙草を吸いながら静かに待ってた。
「この大学って、何で来たの?」
誰を待ってんのかも分かんない私は、煙草を吸う2人の所為でシーンとなる車内が耐えきれなくて
数分もの間待ってる“誰か”を2人のどちらかに聞いた。
それに答えてくれたのは―…
「健吾の女だっつったじゃん」
煙草を丁度吸い終えて新しい空気を入れようと窓を開け始めた葵。
確かに健吾の女が助席に乗るとかどうとか言ってたっけ?
でも何でなわけ?
私と葵も居なきゃいけないの?
健吾と何の話があんの?
健吾の女に会わなきゃいけないの?
っていうかさぁ、
健吾って年上なわけだから、健吾さんって呼んだ方がいいよね?
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