GOLD BOY〜不良彼氏〜



私一人だけがこの状況を理解出来てないみたいで、私一人が車内で浮いてたのは事実。



何なのさ2人して。

私ばっか除け者にして。

話してくれてもいいのに。



それから、ブーッと頬を膨らまし口を尖らせて怒ってることをアピールする私は何だか可哀想。



冷静な2人と怒ってる私でシーンとなる車内に、透き通った声と扉の開く音が響いた。



「ごめんね遅くなって。何か後輩に呼び止められちゃってさぁ」



視線をその声のする方に向けると助席に髪の長い女の人が、いつの間にか座っていた。



シャンプーのCMに出れるんじゃないかってくらい綺麗で艶のある黒く長い髪。



後ろ姿からは、それしか分からなかったけど

その後ろ姿だけで綺麗な人なんだろうなと予想はついた。



すると、その人はあまりにも綺麗なその黒髪に見とれてた私がいる後部座席の方を向いた。


振り返ったその人。


大学を見た時同様、絶句した。



「葵じゃない。久しぶり」



その人は振り返ると葵の存在に気づき、にこっと笑った。



「どうも、碧さん」



葵はその人を碧(ミドリ)さんと呼んだ。


碧さんは、後ろ姿からすると美人なのかと思ったけど意外と可愛いといった感じの人で。



私の存在に気づき、視線を私に向けられた時は心臓が止まるんじゃないかと思った。



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