GOLD BOY〜不良彼氏〜
海の家の壁には、たくさんのカップルの写真が壁が見えないくらいに貼ってあった。
その写真にはペンで相合い傘とか"love"とか"愛してる"とか愛の言葉が書かれている。
来ているお客さんもカップルばっかりで、女同士とか男同士とかのお客さんは一人もいなかった。
「美鈴ちゃん?どうした?」
私のキョロキョロと不振な行動を健吾さんは不思議そうにしながらクスクスと笑ってる。
碧さんと葵といったら、よくこの海の家に来てるのか慣れてる雰囲気を醸し出していた。
「この海の家って、カップルが多いんだなって思って…」
私はこんな些細な事で気になっちゃって、しょうがないっていうのに。
「あぁ、ここはカップルしか入れない海の家なんだよ」
「…カップルだけ?」
「うん。確か……カップルじゃなかった場合は追い出されるんじゃなかったっけ?」
それは、あまりにも健吾さんが普通に話してるからなのか
私が突然の驚きについていけてないからなのか
このカップルしか入れない海の家のルールを当たり前のように頷きながら聞いてしまった。
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