GOLD BOY〜不良彼氏〜
何でも急な葵。
突然旅行のためにアルバイトを始めるとか言い出したり。
付き合ってるなら言いたいこと言わないと付き合ってる意味がないと説教しだしたり。
どこまでも分からない、葵。
でも、その突然が今は好きだったりする。
葵の透き通った目を真っ直ぐ見続けて、逸らされないように握る手に力を入れた。
「明日までって…」
「バイトに決まってんだろ。美鈴が寂しがってちゃこれ以上続けられねぇからな」
そう呟き、握り返すように私の手を握る力が強くなった。
しかも私との旅行のために始めたアルバイトを、私のワガママのために明日止めるなんて言うから、
見上げて見る葵が、いつもより一段とかっこよく見えてしまう。
お互い無言のまま、見つめ合ってるだけの時間が過ぎていった。
静まりかえる中、握られている両手が葵に触れているから熱く、息がかかる耳は赤くなってる。
「そんな赤くなんなって」
付き合いたての頃のように真っ赤な顔をしてる私を葵は覗き込むように見て馬鹿にしてくる。
ムカついたけど、久々の普通なやり取りがちょっぴり嬉しくて、
葵の胸板をバシバシ叩いた。
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