GOLD BOY〜不良彼氏〜



痛いと言いながら嬉しそうな葵をしばらく眺めていたら、葵にデコピンされた。



「なっ、何すんのよ!」


「ムカついたからデコピンした」


「は?」



さっきまでの、あのいいムードは何だったんだと思わされるくらいデコピンが痛かった。



あのムードのままだったら最終的にはキスしてたかもしれないのにと思ったのは口が裂けても言えないけど、


葵が、突然がどんなに好きだとしても突然ムカつかれる理由が分からないから怒鳴ってしまった。



「何でムカついたのよ!」



山びこのように周りに聞こえる私の声は、逆にこの葵の訳わからない行動を悪化させた。



「信じてねぇっつうことだろ?」


「は?」


「俺が他の女になびくって思ってるってことだろ?」



どうやら、原因は私がニューハーフにヤキモチを妬いて葵を信じなかったことらしい。



「もっと信じてくれてるって思ってたんだけどなー」


「信じてるよ?信じてるけど不安になっただけじゃん」


「じゃあ、本気で信じてねぇっつうことなんじゃね?」



わざわざ顔を近付けてそう聞く葵はキスしようと私の顎を持ち上げた。



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