私立桜恋学園~貴方は何科?~
入学式が終わった後はHRがあるので、生徒は一旦教室に戻る。
私はあんなぶっ飛んだ話を聞かされて、HRどころじゃなかった。
あれからも伊集院校長先生の恋愛についての熱弁は続いた。
(あの人にとって、恋愛は素晴らしいのかもしれない・・・でも、私は・・・)
そもそも恋なんて経験した事がないので、熱弁されたってピンとこない。
恋、なんてする必要ないって思っているから。
周りの生徒達も戸惑った表情を浮かべている人がいる。
また、それとは対照的に「何か、楽しそうじゃない?この学校。」と話している人もいた。
そんな人達を複雑な気分で見ていると、教室の扉が開き、桜井先生が入ってきた。
「皆さん、入学式お疲れ様でした。今から大事な紙を配るので、ちゃんと持っていてくださいね。」
桜井先生はそう言って、自分の手に持っていたプリントを配り始めた。