私立桜恋学園~貴方は何科?~
桜井先生はふと、私を見た。
「市川さんも、恋愛を経験した事がないのかしら?」
「あ・・・はい。」
私が頷くと、桜井先生は満足そうな笑顔を浮かべる。
「二人とも恋愛を知らないのね。先生、そういう子好きよ。ピュアで可愛いもの。」
「そ、それは・・・どうも。」
佐久間くんは何と返したらいいか分からなかったみたいで、とりあえずお礼を言っている。
まあ、私もどう反応していいか分からなかったけど。
「ふふ、変な意味じゃないわよ?」
桜井先生は面白そうに笑う。
(変な意味、って何・・・?)
そもそも何でこんなに楽しそうなのかも分からない。
すると、桜井先生は少し真面目な表情になる。
「恋愛を経験した事ないなら・・・してみたいって思わない?」