私立桜恋学園~貴方は何科?~


「え・・・経験、ですか?」

私が聞くと、桜井先生は頷く。

(別に経験したいなんて思った事は・・・でも。)

中学の時、周りの友達が恋愛話で盛り上がっていた。
私はよく分からなくて、ただ聞いてるだけだった。

皆、楽しそうだった。

恋愛はする必要はないと思ってたけど、気に入らないと言えば嘘になるかもしれない。

「・・・確かにね、勉強も大事よ。すごく大事。だけど、他にも大切な事はあると思う。恋愛って言えば、あなた達から見たら遊びに見えるかもしれない。でも、恋愛って意外と色々学べるのよ。大人になったらね、勉強が出来るだけじゃ通じない事もあるのよ・・・一番重要なのは人間関係かもね。
勉強が出来ても、人間関係が最悪だったら仕事なんて出来ないでしょう?」


桜井先生の言う事は正論だった。

勉強だけが全てじゃない。


「・・・先生。」

「どうしたの?佐久間くん。」

隣に座っていた佐久間くんが口を開く。

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