私立桜恋学園~貴方は何科?~
「あ、市川さんこっちこっちー」
校舎を出ると、正門の近くの木の下に3人は座っていた。
私は小走りで駆け寄る。
「ごめんね、待たせちゃって。」
「全然いいよー待ってる間今日もらった冊子読んでたから!」
髪を二つ結びにした女子が冊子を見せる。
「市川さん来たし、そろそろ帰ろっか。」
ショートカットの子が言う。
私は3人に続きながら、重要な事を聞いてない事に気づいた。
「ねえ、名前聞いてなかったよね?名前教えて。私は市川優梨っていうの。」
するとパーマがかかった子が最初に口を開く。
「優梨っていうんだ!私は神開万里枝(しんかい・まりえ)ね。よろしく!」
次は二つ結びにした子が口を開いた。
「私は、姫野未来(ひめの・みく)!よろしくね~っ!」
最後はショートカットの子だ。
「私は佐倉美菜(さくら・みな)。よろしくね!優梨って呼んでいい?」
「うん!もちろん!」
「じゃあ私も!」
「未来もー!」
万里枝ちゃんと未来ちゃんが言う。
息がぴったりだったからちょっと面白かった。
「優梨もうちらの事好きに呼んでねー」
美菜ちゃんが言った。
私は、女子を呼び捨てに出来るまでに結構時間がかかる。
麻里もそうだった。最初はちゃん付けだった。
(今回もしばらくはちゃん付け、かな。
まあ、少しづつ慣れればいいか。)
それからは4人で色々な話をしながら帰った。
恋愛科の話もした。
3人は私を待っている間に冊子を読んでいたみたいなので、入りたい科が決まりかけているようだ。
万里枝ちゃんは、純愛科
未来ちゃんは、ファンタジー恋愛科
美菜ちゃんは、スポーツ恋愛科
(皆、バラバラなんだ・・・私も、早く決めなきゃ。)