私立桜恋学園~貴方は何科?~
「え・・・楽しそう?」
お母さんの意外な言葉に私は戸惑う。
てっきり非難の言葉が飛んでくると思っていたのに。
「優梨が医者になるために頑張っているのは分かるわ。お母さんも全力で応援する。でもね、勉強ばかりじゃ優梨が疲れてしまうかもしれない、って心配なの。
恋愛ならいい息抜きになるし、学べる事もあると思うの。こんな話したら変かもしれないけど、私が優梨ぐらいの年の時は、結構恋愛してたのよ?嬉しい事も悲しい事もあったわ・・・恋愛って意外と奥が深いのかもね。だから、私はあの学園結構気に入ったわよ。」
「お母さん・・・」
お母さんも桜井先生も、恋愛から学べる事があると言っている。
2人は私よりも長く生きているから、その言葉に嘘はないのだろう。
「それに、ちゃんと大学進学に向けた授業もしてくれるみたいだし。勉強も恋愛も、両方頑張ったらいいんじゃない?
学校生活がさらに充実すると思う。」
(勉強と恋愛、両方を頑張る・・・)
お母さんの言葉を聞きながら、私は少しだけ自分の考えが変わっているのを感じた。
校長先生は、恋愛は素晴らしいと言った。
お母さんと桜井先生は、恋愛から学べる事があると言った。
一体、何を学べるのか。
一体、恋愛の何が素晴らしいのか。
疑問がわいてきた。
と同時に、それを知りたいと感じた。