私立桜恋学園~貴方は何科?~


次の日。
私は学校に登校していた。
一応、純愛科に決めたものの、まだ紙には記入していない。
皆の様子を見て出すつもりでいた。

学校が近くなると、桜恋学園の生徒が増えてきた。

その生徒達の中に、手を繋いで楽しそうに歩いている男女がいた。

(あの人達は、付き合ってるのかな・・・?手、繋ぐのってどんな感じなの?)

中学の時も、カップルというのはいた。
でも、別に興味はなかった。
喧嘩したとか別れたとか聞いても、特に何も感じなかった。

(何だか、ちょっとだけ感じ方が変わったかも・・・?)

手を繋ぐのはどんな感じかなんて、今までは考えた事なかった。


「あっれー?優梨ちゃんじゃーん」

「え?」

後ろから大声で名前を呼ばれ、私は振り向く。

そして、振り向いた先にいた人物を見て、私は思わず顔をしかめた。


「おはよー、優梨ちゃん」

昨日、私をからかってきた男子生徒がいた。

しかも、馴れ馴れしく『優梨ちゃん』と呼んでいる。

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