私立桜恋学園~貴方は何科?~
「・・・・・・・・・・・・」
「そんな露骨に嫌そうな顔すんなよーこっちはただ挨拶してるだけじゃん?クラスメイトなんだし仲良くやろうぜ」
(ああ、そうだ・・・クラスメイトなんだ・・・)
こういうタイプの人は苦手だ。
クラスメイトなら毎日顔を合わせなければいけない。
でも、私はある事を思い出した。
このクラスは一週間程度だと桜井先生が言っていた事を。
恋愛科を選択したら、再びクラス分けがあるという事を。
(この人、純愛科なんて選びそうにないし。
多分離れるよね。それまでの我慢だ。)
でも、馴れ馴れしくちゃん付けをされたのには腹が立ったので、私は口を開く。
「とりあえず、ちゃん付けやめて。気持ち悪いから。」
それだけ言うと、私は再び歩き始めた。
「あ、待てよ優梨ちゃん」
「だから、ちゃん付けはやめてって・・・」
「んー、じゃあ優梨でいいの?」
「まあ、別に・・・いいけど。」
ちゃん付けされるよりはマシだ。
すると、彼は私の前に回り込んだ。
「あ、そうそう。ちなみに俺の名前は東城零(とうじょう・れい)な。零でいいからよろしくー」
「あー、うん。よろしく」
適当に返事をして、彼の横を通り抜ける。
(ったく・・・朝から会うなんて・・・)