私立桜恋学園~貴方は何科?~


「・・・・・・・・・・・・」

「そんな露骨に嫌そうな顔すんなよーこっちはただ挨拶してるだけじゃん?クラスメイトなんだし仲良くやろうぜ」

(ああ、そうだ・・・クラスメイトなんだ・・・)

こういうタイプの人は苦手だ。
クラスメイトなら毎日顔を合わせなければいけない。

でも、私はある事を思い出した。

このクラスは一週間程度だと桜井先生が言っていた事を。
恋愛科を選択したら、再びクラス分けがあるという事を。

(この人、純愛科なんて選びそうにないし。
多分離れるよね。それまでの我慢だ。)

でも、馴れ馴れしくちゃん付けをされたのには腹が立ったので、私は口を開く。

「とりあえず、ちゃん付けやめて。気持ち悪いから。」

それだけ言うと、私は再び歩き始めた。

「あ、待てよ優梨ちゃん」

「だから、ちゃん付けはやめてって・・・」

「んー、じゃあ優梨でいいの?」

「まあ、別に・・・いいけど。」

ちゃん付けされるよりはマシだ。
すると、彼は私の前に回り込んだ。

「あ、そうそう。ちなみに俺の名前は東城零(とうじょう・れい)な。零でいいからよろしくー」

「あー、うん。よろしく」

適当に返事をして、彼の横を通り抜ける。

(ったく・・・朝から会うなんて・・・)
< 25 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop