私立桜恋学園~貴方は何科?~
【優人side】
恋愛なんて、辛いだけだーー・・・
俺には好きな人がいた。
本当に大好きで、守りたいって思っていた。
その子も俺の事を好きだと言ってくれた。
嬉しかった。
なのに。
「お前みたいな奴、あいつが本当に好きになると思う?」
「優人くん、マジになっちゃってたの?
きもちわるーい」
俺を蔑んだ目で見た、あいつとあの子。
あいつは俺の親友だった。
いつだって俺を応援してくれていた。
『気持ち悪い』
あの子の言葉が今でも忘れられない。
あの子は俺の事なんて好きじゃなかった。
あいつと腕を組んで、あの子は楽しそうに去っていった。
「・・・馬鹿みたいだな、俺。」
顔に伝う涙を感じながら、俺は呟いた。
それ以来、恋というものが分からなくなった。
恋をして得たものは、激しい胸の痛み。
それと、自分を裏切ったあの子とあいつに対する憎しみだけだった。
甘い恋。
幸せな恋。
そんなもの、存在しない。