私立桜恋学園~貴方は何科?~


夢に一歩近づけた気がして、俺は嬉しかった。

新たな環境で再び夢に向かって頑張ろうと思っていた・・・


でも、俺が入学した桜恋学園は想像もしていなかった学園だった。


なんと、桜恋学園には恋愛科があって、それぞれの科で恋愛を学ぶというのだ。
入学式でいきなりそう聞かされ、俺は動揺した。

(恋愛を学ぶ、なんて・・・恋愛なんて二度としたくないのに。それに、今となっては恋愛は自分にとって得体の知れないモノになってる。そんな状態で、恋愛の勉強なんてやってられるか。)


それに、俺は工学部を目指して桜恋学園に入ったのだ。

恋愛を学ぶなんて聞いてない。

どうしても納得いかなくて、俺は担任の先生である桜井先生に話をした。
すると、放課後に話をしてくれる事になった。

職員室の前で先生を待ち、先生に連れられて教室に入った。

すると、教室には一人の生徒が席に座っていた。

長い黒髪。

クールな感じを漂わせている彼女。

そして、今日教室で桜井先生に大声で反論した彼女。

市川優梨がいた。

彼女は、俺を少し驚いたような表情で見ていた。
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