私立桜恋学園~貴方は何科?~
思考が追いつかない俺を放って、愛菜の声が続く。
「だってねー零のとこめっちゃお金持ちなの!だから、零は私に何でも買ってくれるんだ~それが嬉しいから付き合ってるだけだし?別に好きとかじゃないよ?あんなタイプ私の好きなタイプじゃないもん。私は清楚な感じの人が好きだしー」
「うっわ、愛菜って意外と腹黒い?」
「いいじゃん。零は私の事好きみたいだし。お互い幸せじゃん?零は私と付き合えて、私は好きな物が手に入る。それって最高じゃない?」
(・・・こいつ、頭おかしいのか?)
好きじゃない、という言葉には若干胸が痛んだが、今の会話を聞いた後では、ショックを通り越して呆れた。
つまり俺は金づるとしか思われてなかったみたいだ。
(女って自分の利益の為なら、好きでもない男と付き合えるのか・・・)
ある意味感心した。
でも、愛菜に対する怒りは収まりそうになかった。