私立桜恋学園~貴方は何科?~
俺はその会話を聞いた次の日に、愛菜と別れた。
愛菜はわざとらしく泣いていた。
『好きだから別れたくない』という事も言っていた。
そんなの、嘘だって分かっている。
俺が怒っている理由は、愛菜が俺の事を好きではなかったという事ではない。
確かにそれも決していい気分じゃなかったが、一番腹が立ったのは、愛菜が俺を利用していた事だ。
今まで人から利用された事なんてなかった。
(利用されるのって、こんなに悔しいのか。)
俺は思い知らされた。
それ以来、俺に近寄ってくる女が信じられなくなった。
(どうせお前らは、俺を金づるとしか思ってないんだろ。騙されてたまるもんか。)
それからは一切女子とは付き合わずに、男友達と悪さをしていた。
でも、女子と関わらなくなっても俺の怒りはなかなか静まらなかった。