私立桜恋学園～貴方は何科？～

そうしているうちに、高校入試シーズンに入っていた。

正直、高校なんてどこでも良かったし、行かなくてもいいと思っていたぐらいだ。
親が桜恋学園を勧めてきたので、とりあえずそこを受ける事にした。
桜恋学園は進学実績がいい事で有名らしい。

別に自分にとってはどうでもいい事だったが。

元々成績はいい方だったので、受験勉強はさほど苦労はしなかった。

そして、桜恋学園に合格し、入学した。


しかし、桜恋学園は恋愛を学ぶ学園だったのだ。

(おいおい･･･そんな話聞いてないぞ･･･)

恋愛なんて興味なかったし、愛菜との一件以来、真面目に恋愛するのも馬鹿らしくなっていた。


(でも、まあ･･･暇つぶしにはなるかな)

そう思う事にした。


入学式の日に、ある女子と知り合った。

名前は市川優梨。

鏡で自分の顔を眺めていたから、軽くからかったら顔を真っ赤にしていた。

(あいつ、絶対男慣れしてないよな)

今まで自分が関わった女子は、皆男への媚び方だけは一流の奴ばかりだった。

彼女はそういうタイプではなさそうだ。

(面白そう･･･)