私立桜恋学園~貴方は何科?~
「さて、知っている人もいると思いますが、桜恋学園には今年から新しい恋愛科が追加されます。プロ恋愛科、です。追加されたばかりなので、冊子にまとめる事が出来ませんでした。この科に入りたい人は私に言ってきてくださいね。」
桜井先生はそう話して、詳しい事を書いたプリントを配り始める。
(プロ恋愛科・・・なんか、またすごいやつ追加されたな・・・)
「これから先も恋愛科は追加されていきます。こんな恋愛科に入りたい!っていう希望があれば、ぜひ教えて下さい。もしかしたら実現出来るかもしれませんから。」
(本当に、すごいなこの学園・・・色んな意味で。)
恋愛科はいつでも変更可能だが、当分は純愛科から変わる事はないだろう。
ましては、プロ恋愛科なんて入る事も絶対にない。
(明日から、純愛科としての生活が始まる・・・上手くやっていけるかな。)
僅かな不安が胸にあった。
朝のHRが終わり、再び教室がざわめき始めた。
私はトイレに行こうと、廊下に出た。
「優梨」
聞いた事ある声が後ろから飛んできた。
私はすぐに声の正体が分かった。
あんまり会いたくない人物だ。
「おーい、聞こえてる?」
(ああ、やっぱりこいつだ。)
「東城、零・・・何の用?」
「あれ?何でフルネーム呼び?何か迫力あるんだけど。」
東城零が相変わらず制服を着崩した姿で立っていた。