私立桜恋学園~貴方は何科?~
ー次の日ー
私は新しいクラスが張り出された掲示板を見ていた。
私のクラスは純愛科特進クラス。
大学進学を目指す生徒が集まるクラスだ。
恋愛科選択のプリントには、いくつかのアンケートもあった。
そのアンケートの質問の一つに、こんな質問があった。
『あなたは大学進学を希望していますか。』
私は、もちろん『はい』と答えた。
私と同じように答えた生徒が、この特進クラスに入れられている。
(万里枝ちゃん、特進クラスにいない・・・同じクラスになりたかったな。)
おそらく彼女は大学には行かないのだろう。
同じクラスになれなくて残念だが、人にはそれぞれ生き方というものがある。
彼女の人生なのだから、彼女がどんな選択をしようとも彼女の自由だ。
でも、何人か知っている人がいた。
そして、佐久間くんもいた。
「市川さん。」
「あ、佐久間くん。」
佐久間くんが私に声をかけてきた。
「同じクラス、だな。改めてよろしく。」
「うん。」
(本当、あいつとは正反対だよね。佐久間くんって。)
あいつとはもちろん、東城零の事だ。
初対面でいきなり人の事をからかってくるし、馴れ馴れしいし、たまに意味が分からない事を言うし・・・
(・・・考えてたら、イラついてきた。)
「・・・さん?市川さん?どうかした?」
佐久間くんに呼びかけられて、我に返った。