私立桜恋学園~貴方は何科?~
「はーい、皆さん注目!今日は記念すべき初めての恋愛授業です!皆で仲良く楽しく恋愛を学んでいきましょうね♪」
(美川先生・・・何だか、さっきよりテンション高いような・・・)
テンションが高いのは美川先生だけで、周りは戸惑った表情を浮かべている。
「さて、早速授業を始めたいんだけど・・・まずは、皆に質問!皆は、恋愛ってどう思う?」
誰も答えない。いや、答えられない。
(いきなり難しい質問だ・・・)
恋愛をどう思うのか。
そんなの、分からない。
だって、経験した事ないから。
私にとって恋愛は未知の存在。
誰も答えないのを見かねた美川先生が、ぐるりと辺りを見渡し、口を開く。
「んー、じゃあ佐久間くん!良かったら答えてほしいな。」
クラスメイトの視線が佐久間くんに向く。
突然あてられた佐久間くんは驚いた顔をしている。
しかし、すぐに立ち上がる。
そして、呟くように言う。
「・・・分からないけど、少なくともいいものではないと思います。」
微かに周りがざわめく。
美川先生は頷く。
「なるほど、佐久間くんは恋愛に対していいイメージを持ってないんだね。感じ方は人それぞれだからいいと思うよ!」
「あ、ありがとうございます・・・」
佐久間くんは少しばつが悪そうな顔をしながら、席についた。