私立桜恋学園～貴方は何科？～

授業が終わった後、私はしばらく席についたまま考えていた。

美川先生の恋愛の授業は、よく分からなかった。
こんな事を思うのは、美川先生に対して失礼だと思うが、仕方ない。

まず、美川先生が話した「恋愛のきっかけ」
美川先生は熱く語っていたけれど、私は共感出来なかった。

『話している時に、他の人とは違う感じがするんです。たわいもない事でもこの人に言われたら嬉しくなったり、逆に悲しくなったり。恋が始まる時って必ずしも大きな事が起こるわけではないんです。普通に話していたら、とか。ある日突然、なんて事もあります。』

美川先生はこう話していた。

(男子と話した事はある。でも･･･何も感じなかったし、好き！みたいな気持ちになった事もない･･･)

そもそも、男子に対してあんまりいい印象がないというのが事実だ。

(だって、あの時だってー･･･)


「ねえねえ」

遠い記憶に飛びそうになった時、不意に声をかけられた。

顔を上げると、1人の女子生徒がいた。