私立桜恋学園~貴方は何科?~

腰近くまで髪を伸ばしていて、かなり長い。

(うわあ、可愛い子・・・)

「あの・・・?」

女子生徒の戸惑ったような声で我に返った。

(あ、やばい。返事してなかった!)

「ご、ごめんね。どうしたの?」

私が尋ねると、彼女はぱあっと顔が明るくなった。

「市川さんだよね?実は、入学式の時に見かけてさーめっちゃ可愛いなって思ってたんだよね!話しかけたかったけど、クラス違ったから話しかけにくくて・・・でも、恋愛科のクラスで同じになれたから話しかけてみようと思ったの!」

「そんな、私が可愛いとか・・・で、でも、ありがとう。前のクラスで仲良かった子と離れたからちょっと不安だったんだよね。」

「そっかー!でも、すぐ慣れると思うよ!
このクラスは恋愛初心者の子ばかりだからさ!あ、もちろん私も初心者だよー恋愛とは無縁の生活だったからねーこの学校にはびっくりだよ。まあ、入学しちゃったから何とかやってくしかないよね!」

彼女はあっけらかんと笑いながら言う。

不安ばかり感じている私とは対照的だ。
< 53 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop