私立桜恋学園~貴方は何科?~
しかし、男子生徒達はそんな私達の態度など気にしてない様子で口を開く。
「ねえ、昼休み俺らとご飯食べない?せっかくだから色々話したいし。」
私と莉愛ちゃんは顔を見合わせる。
(どうしよう・・・でも、いきなり男子とご飯食べるなんて。)
そもそも私は男子と関わるのはあまり得意ではない。
『あの時』以来、どうも男子と深く関わるのが怖くなっていた。
「優梨、どうかした?」
「あ、莉愛ちゃん・・・ごめん。」
再び嫌な記憶を呼び起こしそうになった私の声は、力がなかった。
莉愛ちゃんはそんな私を見て、私が男子生徒達とご飯を食べるのを嫌がっていると判断したのか、
「ごめんね。せっかくだけど、行かない。
私達、まだそういうの慣れてないから。」とはっきり言った。
しかし、彼らは引き下がらなかった。
「えー、いいじゃん。行こうよ。」
「俺達、変な奴らじゃないしさっ」
「あの・・・」
莉愛ちゃんは困った表情で私を見た。
何とかしたいが、どうしたらいいか分からなかった。
(こういう時って、どう言ったらいいんだろう。)
私が考えていると、
「ね、いいでしょ?」
1人の男子が莉愛ちゃんの手を握った。
莉愛ちゃんはびくりと肩を震わせた。
それを見た瞬間私は
「・・・やめて!」
思わず男子の手を掴んで、莉愛ちゃんから引き離していた。