私立桜恋学園~貴方は何科?~
「何、そんなガチでキレてんの?」
睨まれて私は思わず後ずさりする。
でも、莉愛ちゃんは離していなかった。
「そもそもさー、純愛科のくせに俺らに刃向かうとか、ありえないんですけど。」
「可愛いなーって思ったから、声かけてやったのに。もしかして調子乗ってる感じ?」
「そ、そんなつもりじゃ・・・」
次々と好き勝手言われて、私は悔しさでいっぱいになった。
(調子に乗ってなんかない・・・ただ、嫌だっただけなのに。それに、純愛科のくせにって何?純愛科は何か悪い所があるの?)
言い返したい事は沢山あるのに、恐怖と悔しさで言葉が出てこない。
「・・・何か言えよ。さっきまでうるさく騒いでたのに。」
肩を掴まれた。
「やっ・・・」
僅かに声が漏れた。
あの記憶が蘇る。
あの目、あの大きな手・・・
「・・・本当に馬鹿だな、お前ら。プロ恋愛科にいるからって調子に乗ってるのはお前らじゃねえの?」
聞き覚えのある声に顔を上げる。
そして、そこにいた人物に恐怖は驚きに変わる。
「大丈夫ー?優梨と莉愛ちゃん。」
東城零が教室の扉にもたれかかるように立っていた。