私立桜恋学園~貴方は何科?~


何となくそんな予感は少ししていたが、やっぱり驚いた。

「詳細はまた後日に掲示板でお知らせします♪ちなみに科によってテスト内容は違うんですよーかなりユニークな内容になる科もあるんですよね。」

美川先生からはこんな風に聞かされた。

(一体、どんなテストなんだろ・・・美川先生の話からすると、紙のテストじゃないような気もする・・・じゃあ、実技テスト?何をするの?)

不安が少しずつ募っていく。

私は今登校中で、私の家の方向から来る人が少ないのか、それとも時間が早いのか、
誰も通っていない。
1人だと余計に色々考えてしまう。

(誰か、家の近い子とか、いなかったっけ・・・)

今日学校に行ったら聞いてみよう、そう思いながら歩いていると、


「・・・あれ、優梨?」

後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
私は思わず立ち止まった。

またしても一番会いたくない人に会ってしまった。


その人物―東城零は小走りで私に追いつく。

「やっぱり優梨じゃん。おはよー」

「・・・おはよう」

挨拶は返した。

私はそれ以上は何も言わずに、早歩きで歩こうとした。

しかし、東城零が前に回り込んだ。

「な、何?」

「恋愛科の考査について、優梨に頼みたい事があるんだ。学校で話すつもりだったけど、今会えたからここで話すね。」


「え、私に頼みたい事・・・?」
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