私立桜恋学園~貴方は何科?~
「うん、でも簡単な事だからさ。」
「・・・とりあえず、言ってみて。」
彼の頼みを聞く、とは言ってない。
とりあえず内容を確認するだけだ。
嫌だったらキッパリ断ればいい。
「じゃあ・・・」
彼は口を開く。
そして私の予想のはるか上をいく事を言ってきた。
「優梨、俺と付き合って?」
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「優梨?どうした?」
声が聞こえる。でも、はっきりとはしていない。
頭がグラグラしている。
そして、そのまま視界が歪む。
傾く体。
体と地面が近づいていく。
(ああ、ここの制服可愛いのに・・・汚れてしまう・・・)
場違いな事を考えながら、私は意識を手放していく。
「・・・!おい、優梨!」
東城零の声が聞こえた。焦りを含んだ声だ。
(あんたのせいだよ、馬鹿・・・)