私立桜恋学園~貴方は何科?~
入学式は特に変わった事もなく進んでいた。
色んな人達からの祝辞、2年・3年による歓迎の合唱、保護者代表の挨拶・・・


「では、次は桜恋学園の校長である、伊集院聖羅先生からのお話です。」

司会進行がそう言うと、体育館のステージの上に若い女の人が立った。
校長、というにはあまりにも若すぎる見た目。知らない人から見たら、新人の先生にしか見えないだろう。
そして、この校長先生は誰もが驚くほどの美人だった。
私は、合格発表の後にあった学校説明会で初めて彼女を見た。
私も、最初は彼女が校長だとは信じられなかった。


(相変わらず綺麗な人だな・・・そして若い・・・)

校長、といったら年配の男性のイメージしかなかった。
多分、多くの人がそうだろう。
彼女の若さには皆驚いていると思う。

伊集院校長先生は、にこやかな笑顔を浮かべた。

「新入生の皆さん、入学おめでとうございます。今年もたくさんの生徒が入ってくれて嬉しいわ。私は、桜恋学園の校長の伊集院聖羅と申します。新入生の皆さん、そして保護者の皆さん、これから3年間よろしくおねがいしますね。」

伊集院校長先生は、そう言って頭を下げた。
そして、頭を上げ少し真剣な顔になる。

「私からは、入学の祝辞の代わりに少し説明をさせてください。桜恋学園の事を。先日の学校説明会ではしていなかった説明があるのです。とても大事な説明なので、よく聞いてくださいね。」

伊集院校長先生のその言葉を聞いて、私は桜井先生の言葉を思い出す。

『詳しい事は、入学式の時に校長先生が説明してくださるわ。』

きっと、今から聞く説明が桜井先生の言ってた説明の事だ。

桜恋学園はこれから自分が通う学校なのだ。
しっかり聞かなければいけない。

私は伊集院校長先生の話に耳を傾けた。
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