私立桜恋学園~貴方は何科?~


「市川さん?来てないわね・・・」

保健室の先生である、花衣先生はお茶を飲みながら言った。

「そうですか・・・あの、まさかどこかで倒れてるなんて事は・・・?」


花衣先生はコップを机に置き、立ち上がる。

「そうだったら大変ね・・・私も彼女を探すわ。手分けして探しましょ?」

「はい、ありがとうございます。」

花衣先生と保健室を出た。

「市川さんが見つかって、体調悪そうだったら保健室に連れてきてあげてね。」

「分かりました。」


花衣先生と別れて、俺は市川さんを探し始めた。

(何事もなければいいけど・・・)






探し始めてしばらく経った。


「一体、どこにいるんだ・・・?」

俺は今、二階にいた。
二階には職員室などがある。職員室を訪ねてみたが彼女は来ていないとの事だった。

空き教室も探したが、彼女の姿はない。

(あとは、2年生の教室だけど・・・今授業中だし、他の学年の教室にいるわけないよな・・・)


だとしたら、残るは三階と屋上だ。
三階は3年生の教室や、視聴覚室、図書室などがある。
3年生の教室にはいないだろうから、探すなら視聴覚室と図書室、残りの空き教室だろう。





「やっぱりいない、か・・・」


視聴覚室にも図書室にも、他の空き教室にも市川さんはいなかった。
そもそも授業中に空き教室にいる事自体、よく考えたらおかしい。


「あとは、屋上だな・・・」

屋上にいるのもかなり謎だが、それぐらいしか思いつかない。
俺は階段に向かった。
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