王太子殿下の妃になりました
王子
(あぁ…私はどうなるんだろ?)
不安に思いながらも周りの人に流されるまま今に至る。
馬車の中では優雅に座る少年と静かに少年に連れそう燕尾服の男は執事だろう。
ジュリアは少し痛む足をさすった。すると脚に手をかけられた。
視線を上げると少年はあの時のように足を自分の足に乗せた。
「あ、あの………!」
ジュリアは目の前の少年はこの国の王子であり、王太子殿下であると再会した時に思った。
周りの人は燕尾服や騎士団の服、武装をした兵なのに対し、少年は上品な服装をしていた。服には刺繍が施された服をを身にまとっていたからだ。
「気にしなくていい。足を縛られ先日に怪我をした箇所が開いているよ」
「あの、王太子殿下、そのことは自分でやりますから、どうか足を離して下さいませ」
王太子は何を思ったのかジュリアの顔を見ると微笑み、執事に目をやった。
執事はジュリアを抱き上げると、そのまま王太子に腕の中に下ろした。
「君には危険な目に遭われて申し訳ないと思っています。だから抵抗しないでほしい、ね?」