王太子殿下の妃になりました
2章
妃
シオンの首に両腕を巻きつけ、彼の方に顔をうずめた。
「私の理由は何?」
シオンはジュリアの頭を撫ぜる
「君は僕の初恋で、命の恩人、という理由ではだめかな?それに君を守りたい」
ジュリアは考えをまとめる為かシオンの首をギュッと絡ませた腕に力を入れた。
ゆっくり息を吐き、シオンの肩から顔を上げると、じっと顔を眺めた。
「シオン王太子殿下、私は貴方の気持ちをこの胸に受け止めました。この私でよければ喜んで」
「そう、良かった。でも、他に何か言いたいことがあるのだろう?」
シオンはしっかりとジュリアの真剣な眼差しを…いや、決意を受け止めた。
ジュリアをソファーに下ろし、その下にシオンは跪く。
「あの、シオン王太子殿下、お願いがあります!どうか!両親を襲った者を捕まえる為にお力をお貸しくださいませ!」
フッとレオンは微笑み、ジュリアの足を持ち上げ、足の甲に口づけをした。
「勿論、そのつもりだよ。私はジュリアの両親を襲った者を許せないからね」
「ありがとうございます」
シオンは御礼を告げるジュリアの見ながら上着を脱いだ。
そのまま、上着を執事に渡すとジュリアを持ち上げ、一つの扉を開けた。
「君が僕のプロポーズを受け止めてくれたことを父上と母上に伝えよう。その前に貴女はお風呂に入ろう。着替えも必要だからね」
ジュリアは国王と王妃、つまりはシオンの両親に会うことになるだからこのままの服装では駄目だとわかっていた。
抵抗もせず、シオンに流されるままにじっとしている。
王族は結婚する場合は、花婿が花嫁がお風呂に入れ体や髪を洗う。
それから、両親に結婚の挨拶をする風習だ。
国民はここのことは知っている。ジュリアはそのこともしっかり知っていたので抵抗はしないが、顔を赤く染めた。