【短】初恋ラビリンス






しかしそれからの久坂さんは大変だった。


口をパクパクさせたかと思うと 顔を真っ赤にして怒りをぶつけてきた。


ガラにもなく『怒っても美人は美人だなぁ』そう感じた反面『みっともない』
なんて思ってしまった。



そんな怒り心頭の久坂さんの耳元で陽は何かを囁いた。


そうすると 久坂さんは何もなかったのように上機嫌で歩いていく。


陽も、歩いていった。

私の方を振り返りながらだけど 去っていった。


***


それから。

やっぱり1人寂しく家まで帰った。


家に着くとすぐさま自分の部屋に行って着替えてからベッドの上に横たわる。


陽が久坂さんとイチャコラしながら帰ったかと思うと腹が立った。


その上 私を明日の夏祭りにまで誘って...

陽の考えていることが全く分からない。


そういうものはカノジョと行くものでしょ?



胸がモヤモヤするけど、夏祭りは行けるものなら陽と行きたかったから目いっぱい楽しもうと思う。


ソレはソレ、コレはコレ...みたいな感じで!


久坂さんには悪いけど...せっかく陽に誘われたもの!

かわいく思われたい。




そうと決めたら気分が明るくなってきた。


それならお母さんにあるコトを頼まないと...!

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