【短】初恋ラビリンス
この日の夕食の準備をしていると玄関の開く音。
パタパタと歩く音が近づいてきたかと思うと、勢いよくリビングのdoorが開いた。
「ただいま〜唯!」
「お帰り、お母さん!
今日はお母さんの好きなオムライスだよ!」
「あら、嬉しいわ 唯、何かあった?」
「なーんにもないよ!
そんな気分だっただけ!」
それでもニコニコしているのが自分でもわかる。
そして少したわいのない話をした後に切り出す。
「お母さんお願いがあるんだけど...」
「急に改まってどうしたの?」
「明日の夏祭りに浴衣を着ていきたいんだけど着付けお願いできる?」
お母さんは軽くフフッと笑うと
「去年のあるわよね?それで大丈夫ならいいわ」
快く了承してくれた。
「お母さんありがと!
今日は食器も洗うね!」
「そんなにしなくても...」
「ううん!私がしたいだけだから!」
お母さんは困ったように微笑むと頷いてくれた。
お母さんと約束出来て嬉しくなって 鼻歌交じりに夕食作りを進めていく。