「ねえ、海は何で青いのか知ってる?」

「空のことが大好きでね、毎日空のこと見てたら
いつのまにか自分も空色になっちゃったんだって。」


またこいつは変なこと言ってる。そう思った。そもそも海は、手にとったら青色なんかしていない。あれはただ水に空の色が映っているだけで、海自体は色を持っていないのだ。
そう言葉にすると、 「もう、夢ないなぁ。こう考えた方が、素敵でしょ?」なんて返されると思っていたが、君の返事は、僕の予想とは少し違ったものだった。

「わかってるよ。これは比喩。
好きな人のそばにいると、自然と好きな人の仕草とか考えとかが移るんだよ、っていうことの比喩」




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