きみの幸せを願ってる



最近、きみは辛そうだ。
いつ見ても、頭を押えてグリグリしている。


「大丈夫かよ?1回病院行けって」


「ただの頭痛やって。勉強で寝不足続いてるだけやから」


教育実習を終えた頃ぐらいだろうか?
きみは頻繁に頭痛を訴えるようになった。


「大丈夫じゃないだろ?マジで行けって」


きみは、病院嫌いだ。
ちょっとしたことなら、ほったらかしだし、市販の薬に頼ってばかり。


だけど、市販の頭痛薬も、今のきみには全く効果をなしてない。


勉強するというやる気はすごいのに、表情はどこかフワフワぼんやりで、頼りなさげだった。


「そんなんやと、勉強集中できないだろ。俺も気になってしまうから」


そこまで、言うときみは、しぶしぶ頷いた。


「明日の朝、病院行ってくる」


明日の午前中は授業がない。


「そうしろ。病院の診断終わったら、連絡くれよな」


「うん」


きみは頷いて、帰っていった。


その後ろ姿がとても、危なっかしい。


送って行きたかったが、俺は今からどうしても抜けられないゼミが入っていた。


心配だった。きみが。


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