きみの幸せを願ってる
Ⅴ
最近、きみは辛そうだ。
いつ見ても、頭を押えてグリグリしている。
「大丈夫かよ?1回病院行けって」
「ただの頭痛やって。勉強で寝不足続いてるだけやから」
教育実習を終えた頃ぐらいだろうか?
きみは頻繁に頭痛を訴えるようになった。
「大丈夫じゃないだろ?マジで行けって」
きみは、病院嫌いだ。
ちょっとしたことなら、ほったらかしだし、市販の薬に頼ってばかり。
だけど、市販の頭痛薬も、今のきみには全く効果をなしてない。
勉強するというやる気はすごいのに、表情はどこかフワフワぼんやりで、頼りなさげだった。
「そんなんやと、勉強集中できないだろ。俺も気になってしまうから」
そこまで、言うときみは、しぶしぶ頷いた。
「明日の朝、病院行ってくる」
明日の午前中は授業がない。
「そうしろ。病院の診断終わったら、連絡くれよな」
「うん」
きみは頷いて、帰っていった。
その後ろ姿がとても、危なっかしい。
送って行きたかったが、俺は今からどうしても抜けられないゼミが入っていた。
心配だった。きみが。