きみの幸せを願ってる
Ⅱ
今日も隣できみは座っている。
すると、ツンツンと腕を突付かれた。
「工藤くん、授業始まったら、起こして」
きみが大好きな教職の授業。
いつもの楽しそうな瞳はなく、代わりに目の下に大きなクマが出来ている。
ついでに、顔も青白い。
「……大丈夫?」
「うーん……ちょっと生理痛」
きみは下腹部を押えて机に突っ伏した。
いや、仮にも俺は男なんだけど。
そんな堂々と、言っちゃうもんなの?
だけどどちらにせよ、きみはとても辛そうで、時々眉を苦しそうに潜めている。
「保健室に行かなくていいのか?」
「欠席はしたくない。それにノートも取らなきゃ」
来月末には、試験が始まる。
ノートを取らなくては、大変だ。
だけどやっぱり、きみは苦しそうで。
「ノートは楽になったら、見せてやるから、次の授業寝とけよ」
そう言うと、きみはフフッと嬉しそうに笑って、こう呟いた。
「やっぱり、工藤くんは優しい」