erotic 17
>>>> 橘 泉歩
こんなに人を恨んだことはかつてあるだろうかーーーー
アタシを弾いたドライバーさん?
いいや、それ以上だよ。
平賀丘神社の裏で泉歩は一部始終を目撃した。花火の咲く音と共に2つの影が激しく音を立てていた。
「トシくん」
泉歩は呟いた。
「トシくん…聞こえないかな?」
「トシくん…隣にいるのアタシじゃないよ…」
(死んだアタシの声は届かない)
(死んだアタシの姿は目に見えない)
「トシくん…こっちみてよ」
コトが終わり幸せそうに抱き合う2つの影を見ながら泉歩は涙を流した。