erotic 17
ひとりポツンと残された羽実のところに斗士が戻ってきた。
「待たせてごめんっ!」
全力で走ってきたのだろう息を切らしながら羽実に駆け寄った。そんな姿を見て羽実がクスクス笑う。
「なっ!なんで笑ってんの!」
「えっ!あっ ごめんなさい面白くて…」
「大変だったよー!山田達うるさくて!」
「山田くん達元気だもんね」
クスクス笑う羽実を見ていたら苛立ちさえなくなってしまう。斗士は結びあげた羽実の頭を優しく手でなでた。
「なんだよ 彼氏持ちかよ」
外野からそんな台詞が聞こえ、斗士は辺りを見渡した。羽実にも聞こえていたらしく肩が震えていた。
「実はさっき…トシくんが離れてすぐ
男の人たちに囲まれて …」
「えっ?!ほんと?ごめん…」
「大丈夫…トシくんすぐ戻ってきてくれたし
でも…少し怖くて…」
「少し人少ないところで休もうか」
怯える羽実の肩を抱き、屋台の列から外れ近くの神社の方へと歩いて行った。