見知らぬ愛人
セフレ
 有名なホテルの瀟洒な部屋のベッドで私は男に愛されていた。

「いつ見ても綺麗だ」

 優しい愛撫に意識が遠退きそうになる。

 男は白い裸身を曝したままの私に

「すべてが美しい。僕のものだ」

「あなたのものだから、あなただけの……」

「もっと声を聞かせて。君は僕の理想の愛人だよ」

 男は何度でも抱いてくれた。いつも最高の快感を味わえる。

「君が気持ちいいことは何でもしてあげるよ」そう言い放つ。



 私たちは恋人でも、もちろん夫婦でもない。
 二年前に偶然出会った単なるセフレ。

 お互いの素性も知らない。家も仕事も既婚かどうかも……。

 二週間に一度、ホテルのこの部屋で同じ時間を過ごす。

 貪るように快楽を求め合う体だけの関係……。

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