バーフライズ・ストンプ
わたしはシャツのボタンを閉めると、
「あ、ありがとうございました!」

センセイの部屋から出ようとした。

「ちょっと待って、原稿を忘れてる」

センセイの手から渡された茶封筒を思い出し、
「あっ…」

わたしはそれを受け取った。

「ありがとうございました…」

呟くようにお礼を言ったわたしに、
「気をつけて帰るんだよ」

センセイが言った。

甘い香りが漂っているセンセイの部屋を出ると、
「あ、もうお帰りですか?」

いちごちゃんに出くわした。

彼女の手にはラッピングされた小さなビンがあった。
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