バーフライズ・ストンプ
センセイの家の前についてチャイムを鳴らそうとした時、ガチャッとドアが開いた。

白地に牡丹柄の浴衣姿のいちごちゃんが出てきた。

「あっ、津川さんじゃないですか」

わたしの存在にいちごちゃんが声をかけてきた。

「何か忘れ物があったのかい?」

いちごちゃんの後ろからセンセイが顔を出した。

「えっ…えーっと…」

戸惑っているわたしに、
「小梅ちゃん、行ってくるねー」

いちごちゃんがセンセイに声をかけた。

「ああ、楽しんでおいで」

センセイは言い返すと、いちごちゃんに向かって手を振った。

いちごちゃんは手を振り返すと、下駄をカランコロンと言わせながらその場を立ち去った。
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