バーフライズ・ストンプ
「いちごちゃん、どこかへ出かけたんですか?」

彼女の姿が見えなくなると、わたしはセンセイに話しかけた。

「友達と一緒に夏祭りへ出かけるんだそうだよ」

センセイが言った。

「そうですか…」

呟くように返事をしたわたしに、
「それで、何を忘れたって言うんだい?」

センセイが聞いてきた。

わたしはセンセイの顔を挟むように両手を置くと、
「――ッ…」

自分からセンセイと唇を重ねた。

「――待って、誰かに見られたら困る」

センセイはわたしから離れると、わたしを家の中に入れた。
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