バーフライズ・ストンプ
ドアが閉まったのと同時に、今度はセンセイからわたしと唇を重ねてきた。

「――ッ…」

センセイの躰から漂っている甘い香りと柔らかい唇に、頭の中がぼんやりとし始めているのがわかった。

センセイの手が後頭部に添えられたのと同時に、わたしはセンセイの背中に両手を回した。

どれくらいの時間、わたしたちはお互いの唇を重ねていたのだろう?

「――はっ…」

離したとたん、唇から熱い吐息がこぼれ落ちた。

センセイの目は熱があるのかと聞きたくなるくらい、潤んでいた。

「――わたしを…」

潤んだ目を見つめながら、
「わたしを、センセイのものにしてください…」

センセイに言った。
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