バーフライズ・ストンプ
もう少しでやってくる明後日を楽しみにしながら、自宅へと帰った。

ガチャッとドアを開けると、
「おう、お帰り」

彼が目の前にいた。

何日かぶりに見た彼の顔に、わたしは驚いた。

てっきり部屋にいるかと思ったのに…。

「た、ただいま…」

呟くように言い返すと、バタンとドアを閉めた。

「これからどこかへ出かけるの?」

そう聞いたわたしに、
「いや、足音がしたから帰ってきたんだなって思って」

彼が答えた。

「そう…」

呟くように返事をしたけど、久しぶりの彼の会話に戸惑っていた。

どんな顔で、どんな会話をしていたんだっけ?
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