バーフライズ・ストンプ
「しかも相手は…」

彼がセンセイに視線を向けた。

「女じゃねーかよ…!」

そう言った彼の目は、軽蔑に満ちていた。

「センセイを悪く言わないで…」

そう呟いたわたしの声が聞こえたと言うように、
「悪く言うな?

俺に隠れて仕事と称してコソコソと会っていたヤツが何を言ってるんだよ!」

彼が怒鳴った。

「待て、彼女は悪くない」

センセイがわたしと彼の間に割って入った。

「センセイ…」

呟くようにセンセイの名前を呼んだわたしに、センセイは大丈夫だと視線を送ってきた。
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