バーフライズ・ストンプ
「おや?」

センセイが首を傾げた。

「顔色が悪いね。

どうしたんだい?」

「――あっ…」

センセイのしなやかな手が、わたしに向かって伸びてきた。

「あ、あの…センセイ…?」

「熱はないようだね」

センセイは額をさわった後、手を離した。

ああ、熱があるかどうか確かめたのか…。

そう思ったのと同時に、離れてしまったその手が名残惜しいと思った。

もっとセンセイの手にさわっていたい。

ううん、センセイの手だけじゃ物足りない。
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